PHASE-14:裏切りのティール

「私はともかく、マイ君は・・・・・・・・・・・」
「駄目です、マイ・アスカがあのシン・アスカ議員の孫である事は分かっている事です。 こちらが握ればそれだけの価値は充分にある。 仮にプラントが反応せずとも、プラントがムースルというテロリスト組織を支援した事は明白になり、プラントを討つ大義も立つ。」
「クッ・・・・・・・・・・・・」
「何故、マイ・アスカが参加したかは分かりませんが、こっちにとっては好都合だったという訳です。  さぁ、他の者は出ていって貰おうか!」
ティール・モンドは未だにガリム・シンフォニー艦長のこめかみに銃口を突き立てていた。  ミカエルのクルーは黙って、手を挙げながらブリッジを後にする・・・・・・・・。
「ミカエルは自動操縦に切り替わった・・・・・・・・まぁ、砲は使えない訳だが、これでいい・・・・・・・・後は連合が沈めてくれさえすれば。」
「どうして!どうしてなの?・・・・・・・・・・・・何故貴方は連合なんかに・・・・・・・・・・・」
「私は初めから、貴方達に手を貸すつもりはなかった、という事ですよ・・・・・・・・野蛮なコーディネイターなど絶滅してしまえばいい。」
「・・・・・・・・・・・ブルーコスモスの狗ね。」
マイ・アスカとガリム・シンフォニーは手を縛られ、列になってティール・モンドに銃口を背中に押し付けられていた。 マイはティールの顔を睨みつけながらゆっくりと歩を進めた。
「他の者はどうするつもりだ?」
「残念ですが、この艦毎沈んでもらいますよ・・・・・・・・ガンダムにもね。  時期にPSダウンする・・・・・・・・・私が細工を施したので。」
「貴方は悪魔ね・・・・・・・・・・・・」
「疑いさえもかけなかった貴方達が無能だったという事だ・・・・・・・・・・・・」
「ヴィヴルまで殺すの?」
「当たり前だ・・・・・・・・・・・・理事の命令だ。  あの野蛮な出来損ないは死んでも構わないと。  しかし、それでは惜しいと思い、私は初めからPSダウンするように細工した。 後はクロード・ベルリーナがどう料理するかだ。」
「本当に貴方は・・・・・・・・・・・」
マイはまたもティールに向かってティールへの悪口を言おうとした。 しかし、ティールは彼女がそれを言う前に引っ叩き、床にねじ伏せた。
倒れたマイの頭を思いきり踏みつけ、彼女の顔からわずかにずれたところを銃で撃った。
「口は慎め・・・・・・・・殺しはしないが、君の体に風穴を開けるぞ。」
「貴様ぁ!」
ガリムは縛られた状態でティールへ体当たりを試みるが、軽やかに避けたティールはガリムの肩へ撃ち込んだ。 かすった肩から血しぶきが上がった。  そのままガリムは地面を転がりながら、悲痛な叫びを訴えていた。
「艦長!!」
「アハハハハハハハハハハーーーー!!  コーディネイターに喋る資格なんかないんだよッ!! 糞ジジィ!  逆らうだけ無駄と分かっただろう? なら立ってとっとと歩け!  ハハハハハハ!」
ティールは両手を広げながら、高らかに笑っていた・・・・・・・・・・・コーディネイターが痛めつけられる姿に興奮しながら・・・・・・・。
 
 
 
 
「クッ・・・・・・・・・・・ガンダムでも、機体性能では・・・・・・・・・・・」
「機体性能だけじゃないぜぇ! ガンダムさんよォ!!  俺様の力あってのウィンダムなんだよ!!」
ストライクノワールは一方的にやられていた・・・・・・・・・既に使える武装はアンカーランチャーとショーティービームライフルのみだった。
しかし、その最悪な状況に追い討ちをかけられる・・・・・・・・・・・。
「ん?  もうヤバいんじゃねぇか・・・・・・・・あの艦?」
「なに!?」
既にミカエルは自動操縦だった為に回避行動及び反撃の手立てが出来てはいなかった・・・・・・・・そして、艦からは今にもエンジンが潰れそうな煙が立ち込める。
「ミカエルが・・・・・・・・・クソッ!」
「俺様が目の前に居る事を忘れんなよ!ガンダムッ!!」
「チィ・・・・・・・・・・・!」
ストライクノワールがミカエルの方へ向かおうとしても、1機のウィンダムに妨害される・・・・・・・。  それどころか、ストライクノワールの様子がおかしかった。
「ん?どうしたんだ?ノワール!!」
ストライクノワールは途端にPSダウンを起こしてしまう・・・・・・・・・・・PSダウンした機体は実弾兵器が有効となり、機体性能も格段に落ちてしまう。 つまり、反応速度も遅れるという事だ。
「おいおい!機体性能のチェックもロクに出来ないとは・・・・・・・・・それでよく連合にケンカ売れたよな!!  ガンダムさんよォ!!」
「チッ・・・・・・・反応速度が・・・・・・・・」
「貰ったぞ!!ガンダムッ!!」
ビームライフルショーティーの攻撃を軽やかに交わすウィンダムは距離を詰めてビームサーベルを引き抜いていた。  ノワールもアンカーランチャーを足の裏から出して見るが、それすらも避けて、右足の一本をサーベルで切り落とされた。
「バランサーが・・・・・・・・クッ、ここまでか・・・・・・・・」
バランサーが狂ったノワールは空中姿勢を保てず、水中へと落下していく・・・・・・・。  しかし、空中に落下していくノワールをウィンダムは逃してはくれなかった・・・・・・・
ウィンダムは直角に急激に距離を詰めていき、右手にビームライフルを持って、ノワールの四肢と翼をもがいていく・・・・・・・・・。
そして、水中に叩きつけられたノワールのコクピットへとサーベルを突き刺した。  確かな手応えを感じた・・・・・・・・・・だが、水中に潜った為か深々と背中まで突き刺した感覚はなかった。
「危ないところだったよ・・・・・・・・・・もう少しで三途の河だったんだから。」
「ん?・・・・・・・・・・・・やはり、生きてたか・・・・・・・・」
「俺を目覚めさせてくれてありがとうよ!おっさん!!」
海面は激しい水しぶきを立てて、ウィンダムを押し出していた。   ひるんだウィンダムは空中で海面から現れたノワールのタックルを直に受けた。
「うおッ!!・・・・・・・・・・・・・貴様ぁ!・・・・・・・・・・コイツ、さっきと動きが・・・・・・・・・」
ノワールはバックパックを解除し空中へ上昇するウィンダムにもう一度タックルをかける。
「まさかな・・・・・・・・・バックパックを排除して、ジャンプ力を上げるとは・・・・・・・・・。」
だが、ノワールは四肢をもがかれた為に攻撃する手立ては頭部バルカンしかなかった。
「だがなぁ、もう貴様は達磨と同じだッ!!」
頭部をライフルで破壊したウィンダムは続いて、ハンドグレネードをコクピットに向かって放った。  しかし、ウィンダムの真横を行く物体が目に見えた。
「脱出したか・・・・・・・・しかし、さっきの口調からすると奴は・・・・・・・・」
ノワールは全体的に焦げていたが、まだ胴体の面影は残っており、コクピットブロックは開いていて、椅子の部分は無くなっていた。
「こちら、クロード・ベルリーナ!  X-105Eは倒したぜ。  後はミカエルをやるだけだな?」
「ああ・・・・・・・・・・・・それで反乱分子は居なくなる。」
「了解!!」
 
 
 
 
ティール達はMSの格納庫へと辿り着いていた。  そして、シグーの前へとマイとガリムに来させ、マイとガリムの手足を縛った。
縛った後にシグーのコクピットハッチを開けて、ハシゴを来させようとしていた。
「そこまでよ!」 コンピューターを操るティールの頬に弾丸が流れた。
「MSで出撃しなかったのはこういう事になるのが分かっていたからですか?・・・・・・・・・・・イロハ・ムラマサ。」
「ええ・・・・・・・・・・・・貴方は入隊した時から臭いと思っていた。」
「流石ですね・・・・・・・・・流石はニホンの忍者の血を引いた方だ・・・・・・・・・」
「ごたくはいい!・・・・・・・・・・・・・さっさと両手を挙げて、地面に伏せなさい!」
「分かりました・・・・・・・・流石ですよ、貴方は。  コーディネイターには惜しい存在ですよ、全く。」
ティールは振り向いて、ゆっくりと両手を挙げた。 その瞬間に、服の中からコントローラーのような物が地面に落ちる。
ティールはニヤリと笑みをこぼして、イロハの正面を見た。  イロハは彼の足もとのコントローラーに気付き、それに狙いを定める。
「手遅れですよ・・・・・・・・もう!」
ティールはコントローラーを踏み潰した。  その瞬間に艦は大きく揺れて、様々な場所で爆発音が鳴り響く。
「・・・・・・・・・この艦に幾つか爆弾を仕掛けといたんですよ、これでクルーの大半は死んだ。  そして、最後に死ぬのは貴方ですよ。」
爆発の動作により、地面に膝を着いた瞬間のイロハをティールは銃で狙っていた。
「貴方は女ノ一だが私は破壊工作員だ・・・・・・・・私の方が優れている。  さようなら、イロハ隊長・・・・・・・・」
ティールが撃った瞬間、イロハは慌てて地面に落ちた拳銃を拾い、立ち上がって、慌てて撃とうとするが間に合わない。  ティールの射撃は正確で、0.1秒でも止まってる相手を外す事は無かった。
銃声が鳴り響くも、その弾丸はイロハに当たる事は無かった。  イロハの目の前にモモ・アスティルが現れたのだから。
「モモ!モモ!」
「イロハせんせぇ・・・・・・・・・・すいません。  あたし、胸騒ぎがして、MS乗らんかったんや・・・・・・せんせ・・・・・い、ヴィヴルに会ったら、死んだらあかん・・・・・・・・・・て、伝えてくれる?」
「・・・・・・・・分かった」
イロハは倒れたモモの手を握って、涙を込めていた・・・・・・・深く頷きながら。
「なぁ・・・・・・・先生、カッコの悪い死に方やな・・・・・・。  結局、ヴィヴルの事、矯正出来ずに、コーディネイターを救う事も出来ずに・・・・死ぬんやから。」
「モモ・・・・・・・・・・・まだ、まだ助かるから! 気をしっかり持つのよ!」
「ありがとう・・・・・・・・先生・・・・・・・」
モモは涙をこぼしながら、笑っていた。  共にオーブに降りる準備も出来ていた彼女はヴィヴルを改正させる事に胸を高鳴らしていた。 結局、ヴィヴルとの付き合いも少なく、彼女はイロハの身代わりとして果てて逝った・・・・・・・・・・。
「ようやく死んだか・・・・・・・・・・よく喋る女だ。  良かったですね、死ななくて。  しかし、情けない死に方だ。 まぁ、この下品な女にはお似合いか・・・・・・・・・・・ハッハハハハハ!」
ティールは銃口をイロハに向けた。
「まぁ、悲しまなくても・・・・・・・・この艦の者は皆一緒に逝けますよ、あの世という世界にね!!」
ティールは引き金を惹くが、銃弾は既に無かった・・・・・・・・。
「チッ、弾切れか・・・・・・・・・・命拾いしましたね。  しかし、私のMS以外は作動しないようにプログラムしてる。  時期に、貴方も爆炎の中に消えていく・・・・・・ハッハッハッハ!」
ティールは素早くMSに乗り込んだ。  そして、イロハはモモの亡骸を抱えながらモモの顔をじっと見つめていた。
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