かわいそうな子

今日も木の枝から豚くん達が嫌々そうに小屋の中に入って行くのを僕は見つめていた。

「ねぇねぇ、お母さん。なんで豚君達は小屋の中に入れられるの?」

隣に居た僕の母親が顔色一つ変えずに淡々と答えた。

「それは屠殺されるからよ」

「ねぇ、屠殺ってなぁに?」

「坊や、それはね……豚さんを肉にして食べ易くする為に殺す事なのよ。人間達は柔らかいお肉しか食べられないからね」

僕は首をかしげてお母さんにまた尋ねた。

「なんで僕達は人間達に食べられないの?」

お母さんはニコりと目を細めて笑って見せた。

「それは私達が知恵の象徴として賢いからよ」

「なんで豚さんは殺されて食べられるの」

「醜くて、馬鹿だからよ。私達はフクロウだもの。賢い動物を人間は食べないわ。人間は賢い動物は崇拝するけれども、馬鹿で醜い動物は殺すのですもの」

「へぇ~、それっておかしいね。豚さん達、可哀想だね」

「そうね、可哀想ね。でも、坊や。犠牲になってくれる人達が居るから、私達は生きられるのよ」

そう言って、母さんはホーホホーと高い声を上げながら、飛び去っていった。

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