年寄りなんか皆殺しにすればいいんや(”Terminate all old people!!”)

2016年02月12日

https://freedomdestinytrust999.wordpress.com/2013/03/10

「年寄りなんか皆殺しにすればいいんや」

ワイは難波警察署の巡査・後悔正義(ごかいせいぎ)。いつも腰にピストル備えてパトロールする糞真面目な警官や。21世紀も終わりに差し掛かっとるのにジジババの数だけは一向に減らへん。むしろ増え続けるばかりや。そやけどな、政府からは高齢者人口調整法案なんていうのが先月採決されたからわし等警官はやりたい放題なんや。具体的にはな、身寄りのない小汚いジジババやホームレスのおっさん連中をやってしもうてもええっていう法なんや。人殺しを警官がやるってのも変な話やけど、21世紀になった途端殺人や強盗のような凶悪犯罪がめっきり減って警官の仕事が全然無いんや。そこで提案された法案が人口調整法案。無職や貧乏な高齢者、住所不定の奴は警官が皆殺しにしてもええっていう素晴らしい法案なんや。ワシは人殺しはしとうないで。そやけど、ピストルが持てるのはヤーさん(ヤクザ)か警官か自衛官ぐらいしかおらへん。しかもピストルが使えるのを許されてるのはヤーさんと警官だけや。そやけど、ヤーさんは犯罪者や。ならワイは警官を選ぶ。警官は20世紀では子供の憧れの職業やったけど、今では子供の成りたくない職業ワースト1位になってしもうた。当たり前やな、人殺しが仕事なんやから。そやけど、誰かがその業を背負わなあかん。ワシはその業を背負ってる。だから、ワシは正義なんや。

「ひっ、お巡りさん……助けて」

鼻くそほじってた小汚いジジイがワシの顔を見た途端に土下座してきおった。垢と泥と煙で真っ黒な汚い顔が涙と鼻水でグシャグシャになっていくのを見てワシはほくそ笑んだ。ワシは腰に備えたピストルを片手にジジイの脳天に目がけて撃ったった。

「ははは……最高や! 朝っぱらからゴミ掃除出来るなんて。今日は何匹ぐらい潰せるか、楽しみや」

ワシは朝の5時から虫の命を潰せた事に心底満足していた。気分が浮かれてたワシはパチンコ屋でタマ打つ事にした。店に入ると賑やかな轟音の中に、また虫を見つけた。今度は婆や。目糞鼻糞鼻毛が出っぱなしのその婆は台に座る事もなく、床に落ちている玉拾っとった。「おい、婆気を付けろ!」婆が玉拾っとるところに金髪の兄ちゃんがぶつかって捨て台詞を吐いとった。婆は謝りもせずにぶつかった時に落とした玉を拾い直していた。

「おい、婆さん……違法だろ、それ」

婆はワイの言葉に耳を傾ける事もなく、ただひたすら玉をかき集めていた。

「婆さん、歳は? 家は? 家族は? 仕事は?」

婆は何一つ答えずにただひたすら玉を集めていた。それに腹が立ったワイはいつもの相棒で婆の頭を貫いた。ワイがパチンコ屋でタマを打つと言うのはこういう事もあるんや。婆の素性は分からんが、小汚い格好やから身分証明も出来ないホームレスやと確信して撃っといた。これは立派な仕事や。パチンコ屋の店内は銃声を気にせず相変わらず轟音が鳴り続けていた。このパチンコ屋も慣れっこやった。最初に入ってタマ撃った時は拍手と歓声が沸きあがったけど、最近は当たり前になった。死体を片付ける店員もワイの事を白い目で見るようになっていった。そりゃ、自分等のシマ(土地)を汚されて片付けさせられたらええ気はせんやろ。そやけど、ワイは正義や。権力も力もある。ワイに逆らう奴はみんな悪なんや。ワイは政府の代役なんや。ワイの行動は政府の行動そのものなんや。そうや、みんなワイに従えばいいんや。

虫を2匹殺し終えて公園のベンチでくつろいでると自動販売機でガキから100円玉をせしめてる小汚いババアが居た。それを見ててイラっとしたワイは缶コーヒーを飲みながらベンチから自販機に居る婆の脳天を貫いた。「ふぅ……ゴミが多くてかなんわ。警官なんて清掃員と一緒やん」

「お前もいずれこうなる」

「誰や」

ワイの背後から声がしたのが分かった。後ろを振り返ると隈と汗と垢と煤に塗れた小汚いおっさんが出てきた。なんや、またゴミか……ワイは心の中でそう思った。

「となり、座ってもええかな」

「あかん、ワイの気が変わらん内に消えな、爺さん」

「生憎、帰る場所がのうてな…」

ワイの言葉に耳も貸さず堂々と爺がワイの腰かけてる隣に座ってきよった。

「聞こえんかったんか、消えろや」

「ワイは突然の落雷でここに飛ばされてきたんや。もう帰れへん。けど、死ぬ前にお前と会えたのは良かった。頼む、ワシを助けてくれ」

「爺を養う余裕はないんや。日本中、どこもそうや。ジジババなんて誰も養えへん。自分の事でも精一杯やのに」

「そんな事言わずに頼む」

爺はワイの手を汚い手で握ってきよった。それに腹が立ったワイは爺の手を払いのけて立ち上がってピストルを構えた。

「年寄りなんか皆殺しにすればいいんや! 無職も貧乏人も皆殺しにすればワイ等が苦労せんで済むんや」

「話を聞け! お前もいつかこうなる……誰かて爺や婆になるんやぞ!」

「うるさいわ、ボケ!」

ワイはピストルのトリガーをひいた。そのあとや、その爺の身分証明書を見つけたのは。爺は住所不定やった。そやけど、その爺は未来から来たワイそのものやったんや…

 

 

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