NHKスペシャル マネーワールド 資本主義の未来 第1集:世界の成長は続くのか?

爆笑問題が司会を務めるバラエティ風ドキュメンタリー番組です。NHKスペシャルです。

今回のテーマは「未来」。いずれ崩壊するであろう資本主義の未来について語った番組です。

 

>まず、資本主義とは何なのか?

この番組は資本主義を知ってる前提で作ってるので、資本主義を知らない人も多いんじゃないかと思います。

そこで資本主義とは何なのか? と説明すると、早い話が貨幣(資本)を多く持ってる人ほど好きな物を売買して資本の利益を拡大していける社会制度のようなルールです。

それでは、貨幣や資本はどうすれば多く持てるのか? と言うと、金持ちの家庭に生まれるパターンと大企業に就職する為の学歴や職歴、スキルを身に着けて個人のステータスを上げて多く稼げるようにするしかない訳です。

資本主義がいつ頃生まれたのかははっきりと定義されていませんが、株式会社の概念自体は大航海時代に生まれたようで、当時の国家や王族が航海冒険家に資金を援助する事で冒険家が得た利益の一部を貰うという証券取引のルールが生まれたようです。

その後、16世紀頃にイギリスが東インド会社を設立して綿花を現地加工してヨーロッパ大陸に加工品を売り付けるビジネスが始まります。まぁ、現代の貿易の始祖的な物でしょうね。

そして、18世紀にはイギリスが産業革命を起こした事で平民の多くが農家から工場作業員に転職して会社員が経済と社会を動かす時代になっていきました。

近代や現代はよく科学技術が石炭石油や電気で動く文明に切り替わったと説明されますが、経済や社会を動かす身分だとか層が商人や株式会社などに切り替わった事が近世と大きく違う点じゃないでしょうか?

近世社会までは貴族や王が社会や政治を動かしてきた訳ですが、今の経済や政治を作ってるのは商人や大企業の経営者である場合が殆どになりました。

これが近代や現代社会の大きな特徴だと思います。

最近ですと、政治家の殆どが会社員や経営者出身というケースも珍しくなくなったし、経団連が政府に口を出して政治のルールを思うがままに操ってる光景もよく見られるようになりました。

社会制度だとか経済のルールの視点から人類史を見つめた場合には人類史の経済モデルは5段階に分かれるとカール・マルクスが『資本論』で語っています。

その内容によれば、原始共産制・奴隷制・封建制・資本主義・共産主義の5段階に分かれると述べています。

原始共産制とは物々交換だとか土地やアイテムを全員で共有する価値観です。この制度は人間が原人だった頃からエジプト文明が現れるまで続きます。

歴史区分的には太古や原始時代、先史時代にあたる人類史になるんじゃないでしょうか?

文明がまだ現れていない時代の頃の話です。

第二段階の奴隷制とは古代ローマ帝国や古代ギリシャのような世界観や国家を指します。敗戦国の人間でさえも財産になった時代で、敗戦国の人間は人間ではなく物として扱われました。この時の商品交換は既に貨幣や金貨が利用されていますが、敗戦国の人間以外は市民(貴族)として扱われるので肉体労働は殆どなく、哲学や芸術に明け暮れていたと言われています。

第三段階の封建制とは中世社会全般を指す社会制度の事です。要するに領主や王様が出現する事で身分が固定化されて血縁のみで身分の上下を指し示すので、有能な人間ほど出世し難い社会という物です。貴族や王様、僧侶は肉体労働などをする事はありませんが、この時代の国民や平民は殆どが農民だったので肉体労働を強いられており、医者や建築家レベルの才能を持つ人間でなければ出世は困難を極めました。

第四段階の資本主義は現代社会と近代社会の事です。近代がいつ頃始まったのかはよく定義されていませんが、イギリスが産業革命を起こして機械が労働に参入する社会になり始めると商人や技術者が力を持つ世界に代わっていきました。封建制と大きく違う点は平民出身の者でも才能があって有能であれば、すぐに出世して王や貴族よりも大金持ちになれる可能性がある事じゃないでしょうか?

ただ、最近の資本主義はごく一部の能力に特化した人間しか就職出来ない環境になって来てるのでブーイングも激しくなってきてますけどね。

 

第五段階の共産主義は旧ソ連や中国、キューバなどを指します。マルクスが生存していた時代では未来に起こると推測されていた社会制度だったので、当時としては実現していない社会制度でした。この社会制度を実現させてしまったのがレーニンです。彼は『資本論』を読み漁った結果に当時の帝政ロシアを崩壊させる為の手段として共産主義を利用してロシアの王政を破壊しました。

まぁ、その結果は革命者の大半が王座に座り、有能な者も無能な者も死ぬまで工場で働かされ続ける上に競争が起こらないので、生活が全く豊かにならないという悪循環だった訳ですけどね。

現実の共産主義がそういう結果だったので、ソ連は1990年に崩壊。カール・マルクスも共産主義という思想を生み出した親という事でレーニンやスターリンと同じく悪評が絶えない感じになってます。

まぁ、マルクスの人生自体がニート生活そのままだったので、そのエピソードもあって、マルクスや共産主義の否定論者はかなり多いようですけどね。

ただ、『資本論』によれば成熟した資本主義は不満を持つ多くの労働者によってプロレタリアート革命を起こされる事になるので経営者や企業は淘汰されていくっていう話だったので、共産主義が生まれるプロセス自体はレーニンの起こした革命と違うという意見も多いです。

まぁ、レーニンの起こした革命の目的は王政を続ける帝政ロシアを崩壊させる事にあったので、革命の種類自体は市民革命であり、フランス革命と同じという意見もあります。

ただ、レーニンの起こした共産主義は『資本論』に書かれてあったマルクスの共産主義の内容について結構忠実に再現してるので、その結果もあって共産主義は駄目だったっていう話にもなってるようです。

 

行き詰った資本主義が向かう先は本来は『資本論』で書かれてた通りの共産主義に移行するようになると思うんですが、NHKの番組では「資本主義にも未来はある」って感じの締め方だったし、NHK自身も共産主義は反対しているスタンスのようだったので、資本主義の未来は共産主義っていう感じの内容の番組じゃなかったですけどね。

 

 

>何故、資本主義は行き詰ったのか?

番組はリーマンショックのせいとか金融空間の開拓先がなくなった為とか言ってた気がしますが、個人的にはIT化やインターネットが経済成長を鈍化させてる元凶のように感じましたけどね。

番組がITやインターネットに触れなかった理由は後に語るAIや技術革新の部分を否定してしまう事になるので、論理が破綻するので、あえてITとかインターネットに触れなかった気もします。

例えば、民泊ホテルの利用客が7年で数倍以上に跳ね上がって、新しい産業の成長スパンが早過ぎるみたいな話をしてた気がしますが、それもインターネットの口コミで広まった事が原因なんじゃないかと思いましたけどね。

民泊のようなサービスが始まると超デフレ化が起こり経済成長がストップするとかいう話もしてた気がしますけど、それもインターネットが現れてから起きた現象ですしね。

開拓するビジネスの領域がないとか需要開拓がないとかいう話もあったけど、インターネットやITさえ存在しなければ、経済成長は微弱ながらも続けてたんじゃないか、というのが私の持論ですけどね。

例えば、エロ同人誌とかAVとかがありますが、今まではああいう物にさえもお金を払う習慣が普通でしたが、今では無料で、違法で、インターネットで視聴出来る訳です。

それどころか、漫画やアニメ、ゲームなどの精神的なアイテムに関してもインターネットで無料か格安で視聴やプレイが合法的に可能になってきている。

物理的なアイテムもネットショッピングや中古市場、口コミなんかを利用すれば最安値の場所から買う事が出来ますからね。

あと、事務職やデスクワーク、オフィスワークがAIに雇用が侵食される恐れも語ってましたが、既に事務職はExcelやPowerpoint、Accessなどのせいで人数が相当削減されているし、非正規化が当たり前になってますからね・・・・・・。

AIや技術革新がいくら発展しようが、結局は消費市場を縮小する結果になるだけの話で、ますます超デフレ化が進むんじゃないかって気がするんですよね。

 

確かにITやインターネットが出現した事でITサービスなどを展開する企業や雇用が激増しましたが、その恩恵で就職出来てる人間は工業高校や理数系の人間やプログラミング言語に適性のある一部の人間にだけに限られていて、数多くの凡庸な人や文系の人間は社会のボトム層として工場派遣やら介護派遣を強いられるのが当たり前の社会になってます。

そして、IT企業に就職したプログラマやSEが幸福なんていう事も全く無くて、大体のIT企業は経営者や役員以外はブラック企業っぷりの仕事を押し付けられてる訳だから、IT業界で働いてる人達も実は殆どが幸せじゃないって構図だったりする。

 

番組の構成では開拓地域が開発されまくって需要のニーズが生まれなくなったから、経済が愚鈍化したって話になってたけど、インターネットやITさえ現れなければ雇用のパイはもう少し多様化していただろうし、経済の愚鈍化も緩やかだったでしょうね。

ITのせいで今の株取引の相場変動はコンマ単位の時間で切り替わるのも普通になってきてるようだしね。

 

創作業界に関して言うと、ITやインターネットが無かった方が都合が良かったでしょうね。

今の時代はパブリックドメインは無料でインターネットで閲覧出来る訳だから、似たようなネタやアイディアはすぐにパブリックドメインのデータや知識を引っ張り出されて叩かれるのが目に見えてるし、いくら新作のゲームやアニメを開発しても安さの点から過去作ばかりをやるユーザーやプレイヤーは相当多いですから。

あと、創作物を世間に発表しても大体の作品はインターネットの掲示板やSNSで叩かれる物が多いから、創作者もやる気をなくしていくって訳です。

あと、画力に関しては昭和時代の頃よりも最低基準のハードルが底上げしてますしね・・・・・。

 

思考だとか論理面に関してもインターネットやITが無かった世界の方が幸せだったでしょうね。

「物を知る」という事は幸福であると同時に不幸な事ですから。

本を読み過ぎてアナーキストやニヒリスト、革命家などが現れた過去の歴史と同じで、無駄に知識だとか雑学を多く知ってる人間というのは思考回路が色々面倒臭いし、複雑な思考をしている訳だから、中々集団思考の中に混じらせにくい。

インターネットが現れるまでは大抵の人が単一的な思考だとか分かり易いバカが多かったから、テレビCMとかテレビ番組で商品紹介をすると買う奴は多かったんだけど、最近はインターネットが色々な思想を掲載している訳だから、洗脳だとか集団心理に溶け込まない人間も数多く増えてきてる。

今の若者なんかが特にそうでしょうね。

唯我独尊というか、自己尊重が強く他人や社会を受け入れ難いって感じの人種になってきていて、思考パターンもインターネットがない時代よりも読み難くなってる。

インターネットを知った事で天邪鬼な思考になった人間は多いだろうし、消費意欲が全くないって若者も増えてる訳だから、商品が買われる時代じゃないんだと思います。

 

まぁ、インターネットさえあれば、とりあえず暇な時間はずっと潰せる訳ですからね。

 

NHKの番組の癖にインターネットやIT化が資本主義を愚鈍化させているという推察が無かったのは残念に思いましたけどね。

 

商品やビジネスを開拓する領域がないから経済が愚鈍化してるってのは間違いないけど、それにトドメを刺したのがインターネットサービスやIT化のようにも思う。

ぶっちゃっけ、インターネットのせいで何でもかんでも無料や格安が一般的になり過ぎてて消費感覚が麻痺してる感じもする。

 

物理的アイテムに関しては、今はまだお金を払うのが当たり前ですが、視聴覚を刺激するコンテンツとか性感帯を刺激するコンテンツに関しては無料が当然のような状況になっている訳だから、経済が愚鈍なのは当たり前な気もしてます。

ホリエモンもその辺の事をTwitterで指摘してた気がします。「精神的アイテムは無料が当たり前の時代になってるから、いずれは物理的アイテムや衣食住も無料が当然の感覚になる」みたいなツイートを発信してた気がします。

 

インターネットがエンターテイメント関係のビジネスや商品に関しては無料にしているから、経済が愚鈍なのか? って言うと、今の段階だと一部だけだとは思うんですけどね。

まぁ、物理的アイテムに関してはどうしてもお金を払わないと所有出来ない訳ですから。

ただ、その物理的アイテムも中古品とレストア品(修理品)と親世代の財産が普通に使えたりするから、買い替え需要も起こらない気がするんですよね。

2010年頃までは数年に一度の感覚でパソコンや携帯電話を買い替える必要がありましたが、今ではパソコンや携帯電話でさえも10年以上は製品寿命が持つのが普通になってます。

テレビや車と同じなんですよね。

テレビや車なんかも20年以上使い続けてる家庭なんかもありましたからね。

 

じゃあ、なんで買い替えしないのか? って言うと、消費者が貧乏になってるし、ゴミを捨てる場合にも自治体にお金を払わないといけないからじゃないですかね?

1990年代の頃までは粗大ゴミをそのまま出すのは当たり前の習慣だったけど、2000年代以降は粗大ゴミを出す場合には自治体にお金を払って処分する必要があるので、製品が動く限りは買い替えしない人も多いんだと思います。

仮に動かない工業製品があったとしても、今はヤフオクでさえもジャンク品だとか玩具のパーツ品が売れる時代の訳なので、ゴミが生まれるはずがないし、リサイクル市場がますます潤う訳なので、貧乏な消費者や若者ほど新品や工業製品に興味が沸くはずがないでしょうね。

 

なんで家電とか車を粗大ゴミとしてそのまま出してお金を取られる時代になったのか? と言うと、ゴミを処分するお金の比率が上がってきてるからじゃないですかね?

今でも東京のゴミ処理場の埋め立て地ではゴミの処分が終わっていないゴミが数千万トンあるそうですから。

1990年代の頃から社会問題として語られてきた問題ですが、自治体とか政府もいよいよ粗大ゴミの処分にお金がかかり過ぎる事になってきたので、粗大ゴミでもお金を取るのが普通になってきたんだろうな、って思います。

ちなみにブラウン管テレビを処分する時は家電量販店で数千円払わなきゃいけなかった上にそのブラウン管テレビがインドネシアなどの家庭で再利用されるという話も店員に聞かされました。

使える家電をお金を払ってまで処分しなきゃならない上に全く知らない赤の他人にそのままあげるぐらいなら、使える家電は壊れるまでは使い続けるって神経になるのは普通かと思います。

仮に壊れたとしても、ヤフオクにジャンク品として提供してお金を稼げばいい訳なので、ジャンク屋がそのジャンク品を買い取ってリサイクル品として中古市場に回す訳です。

 

だから、新品の家電や自動車が先進国で売れなくなり始めてるんだとは思います。

 

あとは税金の比率が年々上昇している上に生産人口が減る一方で非生産人口が想像以上に増殖しまくっていて、若い世代に負担がかかりまくってるから、若い世代ほど物理的アイテムに金を使わないんじゃないでしょうか?

それどころか精神的アイテムなんかはインターネットに転がってるアマチュア作品やパブリックドメイン作品でも満足出来るのであれば、基本的に無料の訳です。

 

 

 

 

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